
"3分で読める"マーケティングに関するコラムの第7回です。
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【第7回】デジタル時代のマーケティング入門
マーケティングの新たな主戦場
現代の消費者は、情報を得るのも、商品を比較するのも、購入するのも、その多くをデジタル空間で行います。
この変化に対応するために生まれたのが「デジタルマーケティング」です。
これは、インターネット、スマートフォンアプリ、SNS、IoT機器など、あらゆるデジタル技術、チャネル、データを活用するマーケティング活動の総称です。
単にウェブサイトを活用する「Webマーケティング」よりも広い概念であり、顧客とのあらゆるデジタル接点を包括します 。

伝統的マーケティングとの決定的違い
デジタルマーケティングは、従来のテレビCMや新聞広告といった伝統的な手法とは根本的に異なる特徴を持っています。
- 双方向性
伝統的マーケティングが企業から消費者への一方的なメッセージ発信(モノローグ)だったのに対し、
デジタルではコメントやレビュー、SNSを通じて顧客が企業に直接声を届ける「対話(ダイアローグ)」が可能です 。 - 精緻な測定
デジタル施策は、閲覧数(PV)、クリック数、コンバージョン(成果)率など、あらゆる成果を具体的な数値で測定できます。
これにより、施策の効果を客観的に評価し、データに基づいた改善が可能になります 。 - Check(評価)
実行した施策の結果を、設定したKPIと照らし合わせて評価・分析します。
「計画通りに進んだか?」「なぜ上手くいったのか、あるいは、いかなかったのか?」をデータに基づいて客観的に検証します。 - 高いターゲティング精度
年齢や性別、地域といった基本的な属性だけでなく、顧客の興味関心や過去の行動履歴に基づいて、
非常に細かいターゲティングが可能です。 - 迅速性と柔軟性
キャンペーンの開始、テスト、修正を短時間で行えるため、市場の変化に素早く対応できます 。
デジタルマーケティングの主要な手法
デジタルマーケティングには多種多様な手法が存在しますが、ここでは初心者がまず押さえるべき基本的なものを紹介します。

オウンドメディア(Owned Media)
自社で所有・運営するメディア、主に自社のウェブサイトやブログを指します。
これは、自社のデジタル活動における「本拠地」であり、コントロールが完全に可能な唯一の空間です。

SEO(検索エンジン最適化)
Search Engine Optimizationの略。
顧客がGoogleなどで特定のキーワードを検索した際に、自社のサイトが検索結果の上位に表示されるようにウェブサイトを最適化する取り組みです。
顧客が能動的に情報を探している瞬間にアプローチできる、強力な「プル型」マーケティング手法です。

コンテンツマーケティング
ターゲット顧客にとって価値のある、有益な情報(ブログ記事、動画、調査レポート、ホワイトペーパーなど)を制作・提供することで、顧客の興味を引き、信頼関係を築き、最終的にファンになってもらうことを目指す手法です。
これは、売り込みではなく「価値提供」を通じて顧客を惹きつけるマーケティングの思想そのものです。

デジタル広告(ペイドメディア)
費用を支払って、検索エンジン(リスティング広告)やSNS、各種ウェブサイトに自社の広告を表示させる手法です。
短期間で認知度を高めたり、特定のターゲットに直接アプローチしたりするのに有効です。
顧客が主導権を握る時代
デジタルマーケティングを理解する上で最も重要なのは、「情報の主導権が売り手から買い手に移った」という事実です。
インターネット以前、顧客は営業担当者から話を聞かなければ製品について詳しく知ることができませんでした。
しかし今、顧客は購入を検討する際、企業のウェブサイト、競合比較サイト、第三者のレビュー、SNSでの評判など、膨大な情報源にアクセスできます。
その結果、顧客は営業担当者と接触するよりずっと前に、購買プロセスの大半を独力で終えているのです 。
この変化は、マーケティングの役割を「説得」から「教育と案内」へと変えました。
企業のウェブサイトやブログ、SNSは、24時間365日働く「デジタルの営業担当者」です。
もし企業のデジタル上の存在感が希薄であれば、それは顧客の意思決定プロセスの大半において、自社が「存在しない」ことと同義なのです。
さらに、これらのデジタル活動は、それぞれが独立しているわけではありません。
広告で集めた顧客をコンテンツで教育し、その行動データを分析して次の施策を改善する、というように相互に連携し、データに基づいた改善サイクルを生み出します。
この「データの好循環」を構築し、管理する能力こそが、現代のマーケターに求められる中核的なスキルと言えるでしょう 。
第8回は、9月4日更新予定です。