
"3分で読める"マーケティングに関するコラムの第6回です。
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【第6回】点と点をつなぐ:マーケティングの全体像とPDCAサイクル
マーケティング戦略の全体フロー
これまでの講座で学んだ各フレームワークは、それぞれが独立したものではなく、一つの大きな流れの中に位置づけられています。
ここで、その全体像を整理してみましょう。
このプロセスを理解することで、個々の活動がどのように連携し、最終的な成果に結びつくのかが明確になります。
- 環境分析(3C分析)
まず、市場・顧客、競合、自社の状況を把握し、ビジネスの現在地を確認します 。 - 戦略策定 (STP分析)
次に、市場を細分化し、狙うべきターゲットを定め、競合との差別化を図るための独自のポジションを確立します 。 - 戦術実行 (4P/4C)
策定した戦略に基づき、製品、価格、流通、販促といった具体的な施策を実行に移します 。
この流れの中で、3C分析の結果を整理し、STP戦略へと橋渡しする際に役立つのがSWOT分析です。
SWOT分析は、自社の強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、外部環境の機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)を整理するフレームワークです 。
3C分析における自社分析から「強み・弱み」が、市場・競合分析から「機会・脅威」が導き出され、
これらを掛け合わせることで、取るべき戦略の方向性(例:「強み」を活かして「機会」を最大化する戦略)がより明確になります。
改善のエンジン:PDCAサイクル
戦略を立てて実行するだけで、マーケティングは終わりません。
むしろ、そこからが本当の始まりです。
市場は常に変化し、計画通りに進むことばかりではありません。
そこで不可欠となるのが、活動を継続的に管理し、改善していくための仕組み、
PDCAサイクルです 。

- Plan(計画)
目標を設定し、それを達成するための具体的な計画を立てます。
目標設定には、「SMART」基準(Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Relevant:関連性がある、Time-bound:期限がある)を用いると効果的です。
この段階で、成果を測るための重要業績評価指標(KPI)を定めます。 - Do(実行)
計画に基づいて、4P/4Cの戦術を実行します。 - Check(評価)
実行した施策の結果を、設定したKPIと照らし合わせて評価・分析します。
「計画通りに進んだか?」「なぜ上手くいったのか、あるいは、いかなかったのか?」をデータに基づいて客観的に検証します 。 - Act(改善)
評価・分析の結果から得られた学びをもとに、次の計画を改善します。
「何を継続し、何を修正し、何をやめるべきか」を決定し、次のP(Plan)へと繋げます 。
多くの組織でPDCAが形骸化する最大の原因は、「C(評価)」のステップが疎かになることです。
日々の業務に追われ、結果をデータで振り返る時間を作れなければ、改善(Act)は勘や経験に頼ることになり、同じ失敗を繰り返しかねません。
プロのマーケターは、実行(Do)と同じくらい、評価(Check)の規律を重んじるのです。
フレームワーク早見表
以下に、主要なフレームワークをまとめます。これらはマーケターにとっての「道具」です。
それぞれのツールの役割と使い方を理解し、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。
フレーム ワーク | 正式名称 | 目的 | 主な問い | 使用場面 |
---|---|---|---|---|
3C 分析 | Customer, Competitor, Company | 環境分析 | 我々の現状は? | 戦略立案の初期、 定期的な状況確認 |
PEST 分析 | Political, Economic, Social, Technological | マクロ環境分析 | 外部環境の大きな変化は? | 市場の将来的な リスク・機会の把握 |
SWOT 分析 | Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats | 戦略的方向性の評価 | 現状を踏まえ、何をすべきか? | 3C分析とSTP分析の橋渡し |
STP 分析 | Segmentation, Targeting, Positioning | 基本戦略の策定 | 誰に、何で勝つか? | 環境分析後、 コア戦略を定義する際 |
4P 4C | 【4P】 Product, Price, Place, Promotion 【4C】 Customer Value, Cost, Convenience, Communication | 戦術の具体化 | 具体的に何をするか? | STP分析後、 実行計画を作成する際 |
PDCA サイクル | Plan, Do, Check, Act | プロセス管理・改善 | どう活動を管理し、改善するか? | あらゆるマーケティング活動で継続的に |
この一連のプロセスは、一度きりの直線的なものではなく、PDCAによって常に改善が繰り返される「サイクル(循環)」です。
施策の結果(Check)は、新たな環境分析(3C)の情報となり、それが戦略(STP)や戦術(4P)の見直しへと繋がっていきます。
完璧な計画を立てることよりも、変化に適応し続ける優れたプロセスを持つことこそが、現代のマーケティングにおける成功の鍵なのです。
第7回は、8月28日更新予定です。